去る2017年10月17日、福岡市中央区の大名小学校跡地にある「Fukuoka Growth Next」で開催された、ロゴデザインの公開講座「良いロゴの考え方、作り方、使い方。」を聴講してきましたので、そのレポートです!
まず、ブランディングの前にきちんと流通や消費者(利用客)のことを考えて対応する必要がある。表(ロゴや広告、Webや店舗など)と中(サービスや売っている物)の印象が同じであれば消費者(利用客)との信頼関係を築くことができる。逆に違う印象だと信頼してもらえないということ。言っていることとやっていることが違う人間が、あまり信用できない心理と同じようです。
商品価値とは、他より優れている理由。信頼価値とは、提供者との信頼関係。どこの誰からなぜ買うのか?を明確にすることが求められています。
商品を買うときに、知らない人から買うより、知っている人から買いたくなるのが人の心理です。より関係性を近くに感じさせることで売れやすくなります。
上記の授業内容でしたが、これはブランディングやロゴに限らず、あらゆるグラフィックデザインでも共通して言えることだなぁと、思います。
価値と言うものは時代によって変わるもので、昨今で言えば東北の震災以前と以降では、価値観や考え方に大きく変化が起きている。
リブランディングとは、時代と消費者の変化への対応。劣化したブランドを変えて、より効率的なブランドにする。
商品やサービスが従来の消費者に受け入れられなくなった場合に、ブランドのポジショニングを変更する必要があります。
昔「デザインは不変的だ」という意見を聞いたことがあるのですが、果たしてそうかな?違うんじゃないかな?と思っておりました。もちろんロゴやブランディングはすぐ結果に結びつくものでもないですし、こうコロコロ変えるものではありませんが、やはり時代に取り残され無いように見返すことも重要ですね。
梶原先生のリーフレットより抜粋です。
デザインの5つのポイントをクライアントと一緒に明確にすることで、自ずと表現すべきものやデザインの方向性などが明らかになるため、デザイナーはデザインに取り掛かりやすく、クライアントも判断軸が明確になるので、複数の提案がある場合もいずれの案がイメージに近く選択するべきものかが自ずとわかると考えています。
潜在意識にある漠然とした「不」が解消されて、幸せなイメージを実態にすることがデザインの本来の役割です。
使う人の「不」がコンセプトの母になる。ポジティブな不満は宝です。
完成のマッチングをロゴで調整することで、自分と関係あるものと無意識に記憶される。無意識に記憶されたロゴは、負の解決策として競合より先に記憶が再生され、自動的にイメージで導かれる。
この部分の講座は、「ユングの意識構造」や「エシカル消費」を用いて、潜在意識について説明していただきました。でも私にはちょっと難しかったです…。もうちょっと意識や脳について勉強したいな〜と思います。
また、「自分に関係あるもの」と無意識に記憶されるということは、やはり親近感や信頼感につながっているのでしょうね。
やはり実例の見ながらの講座は、とても楽しいしためになります!残念ながら詳しいことはここには書けませんが、紆余曲折したお話し、提案をいくつも提出したお話しはとても興味深いですね♪
また、梶原先生はほんわかした話し方の優しい印象なのですが、提案時にはイメージマッピングやキーワード選定はもちろん、SWATやペルソナ設計も行っていて「さすがだーー!」と思いました^ ^
ロゴや店舗、様々な外側のイメージUPに成功すると、消費者(利用者)は「きっと商品やサービスの質も良いのだろう」と期待する。そこでサービスや商品の質が伴っていないと消費者をとてもがっかりさせてしまうことに繋がる。よって、外側だけでなくスタッフのオペレーション等の内側も向上する必要性が出てくる。
リブランディングの成功例はもちろん、売上UPやイメージUP、今まで違う年代の客層の取り込み等々…というのは容易に分かるのですが、私が考えつかなかった影響があるんですね。
質疑応答では色んな質問が出てきたのですが、印象に残って今後のためになるものを抜粋します。
Q: 会社の社長が「ロゴを変えたい」と言っています。
A: 「なんで?」を5-6回ぐらい繰り返し聞きましょう。なぜロゴを変えたいのか?どうしてそう思うのか?それでなにを解決したいのか?…そうすると社長の本音や問題点が明確になりますよ。
Q: クライアントと意見が食い違う時はどうしますか?
A: 客観性を持って納得してもらうようにする。基本的には現場に出向いて、消費者の感情をトレースして理解する。そこにはクライアントの好みや主観は関係無い、ということを柔らかく優しくキチンと説明して納得してもらうように心がけています。